櫻坂46をポジティブに俯瞰してみた

深いようで浅いことが書けるように心がけます

櫻坂の改名は実際、意味があったのか?

 こんにちは。虎杖玲です。梅雨入りしましたね。5月のグリーティングカードで土生ちゃんの梅雨入り宣言がまさか的中するとは。。。

 さて、櫻坂46がデビューしてから半年が経過し、「改名した意味ある?」、「欅のままでよかった。。。」などの感情を度々目にするようになりました。

 確かに、先日3坂すべての最新曲MVが公開されましたが、櫻坂46の「BAN」はいまひとつ伸びない。。。このことからも、改名によるファン離れ、櫻坂新規ファンの少なさがうかがえますね。。

 では、改名には意味がなかったのか?結論はNOです。この半年間、さらには平手友梨奈が脱退してからの1年半を見て、改名した意味は大いにあったと考えています。

 改名により、彼女たちは何を失い、何を得たのか。今回はそこを軸に、改名した意味について考えていこうと思います。

 

目次

 改名により失ったもの

1.神曲の数々

 これが一番大きい。欅は4年という短い期間からは考えられないくらい多くの神曲をリリースしてきた。

 「2人セゾン」、「風邪に吹かれても」、「避雷針」、「エキセントリック」、「危なっかしい計画」、そして「サイレントマジョリティ」。ここには到底書き切れない。

 このことはラストライブを見れば一目瞭然だろう。2日間、全く違うセットリストであれだけの見応えのあるライブなど、活動期間たったの4年のアイドルには普通できない。

 それほどのものを櫻坂46は捨ててしまったのだ。相当な損失であることは、ファンであれば誰でも分かるだろう。例えるなら、鳥取から砂丘を奪うようなものである。

 2度とやらないかは分からないが、恐らく「櫻坂46が自力でちゃんと売れた」か「櫻坂46が自力では全然売れなかった」場合に限るだろう。

 もし、中途半端なタイミングで解禁されれば、それこそ改名した意味を疑う。例えるなら、スタバがないことを売りにしていた矢先、鳥取にスタバができるようなものだ。

2.若者を対象とした圧倒的コンセプト

 先ほど述べた神曲、そのほとんどが「世間の常識に囚われるな」、「大人への反抗」、「若さは儚くてもろい」など、若者に対してのメッセージを内包している。

 事実、欅坂46は他のアイドルに比べ、圧倒的にファン層が若かった。これは、「ファンの金銭的余裕がない」という弱点となったが、同時に、他の追随を許さないほど、グループ全体の勢いを大きく押し上げる要因にもなった。

 このことは、欅坂46のMVが他の日本アイドルグループに比べ、字義通り圧倒的であることからも自明である。

 このコンセプトですら、櫻坂46は捨ててしまった。考えられる要因は様々あるが、主な要因として、このコンセプトが限界に来ていたことが挙げられる。

 メンバーの平均年齢はすでに20歳を超えてしまっている。グループを作り上げた1期生に限れば、大半が新卒を超えた年齢である。

 もはや子どもではないのだ。確かに、「周囲に囚われるな」というメッセージは、大人にも通用する。しかし、それを受けとめ、実行できる大人は中々いないはずだ。

 唯一実行できていた、当の平手友梨奈はもういない。

 ここでコンセプトを一度見直し、今のメンバーの気持ちにあったものにしよう。

 これが欅のコンセプトを捨てた経緯なのではなかろうか。

 また、9thの歌詞を見てもらいたい。秋元康自身の限界も明らかに来ていた。

3.知名度

 「改名しました!」と宣伝しても、そんなに簡単に認知してもらえるわけではない。現在の櫻坂46の知名度は低く、未だに改名を知らない人はかなり多い。

 知名度を上げるにはやはり、地道な活動と何かしらの「きっかけ」が必要である。こればかりは、メンバーのポテンシャルではどうにもできない。

 時間が経つのを辛抱強く待たなくてはならない。メンバー以上にファンも。

改名により得たもの

 これだけの大きなものを失った櫻坂46は、一体何を得たのか。それは3つある。

1.暗いイメージからの脱却

 これは主にメンバー側の視点である。ファンでこそ、欅の明るい一面を知っているが、そこまで知らない人からすれば「欅=クール」というイメージを抱くはずだ。

 そのためなのか、バラエティー番組の露出は全盛期ですら、かなり少なかった。当時の人気からは考えられない頻度である。

 また、メンバーたち自身も漠然と存在する、「欅坂46のイメージ」を壊さないように気をつけているように感じた。

 そもそも、そういった「欅坂46のイメージ」は一時期の楽曲が作り上げたものに過ぎない。

 しかし、確かに人々の中に存在していた。これが平手脱退後の欅坂46には足枷になっていたのは明白であった。

 この足枷を外すための儀式的な行為が「改名」であったのだ。確かに、改名せずにイメージ転換を図ることもできただろう。

 しかし、平手友梨奈を始めとする全盛期の人気メンバーで作りあげたイメージを壊すのは容易ではなかっただろう。

 実際、現在の冠番組を見ていて多くの人が感じたに違いない。改名前後に抱いたメンバーの印象における違いを。

 メンバーたちの足枷は確実に破壊できたに違いない。

2.「欅=平手」というイメージからの脱却

 これは主に、パフォーマンスを見る視聴者側の視点である。

 筆者を始め、平手友梨奈をきっかけに欅を知った人の多くがまず最初に抱く印象が「欅=平手」というものである。

 欅坂、平手友梨奈知名度が逆にあだとなり、「平手友梨奈がいなきゃ、欅坂じゃない」と思う一般人が大半であろう。

 そんな人々にパフォーマンスを届けるのは並大抵のことじゃない。嫌でも平手がいた頃と比べられてしまう。

 このフィルターを少しでも取り除く役割も改名が果たしてくれている。名前というのは、人の印象を大きく左右する。

 例えば、「浜辺美波」や「吉沢亮」と同姓同名の人を考えてみてほしい。どんなに性格がよくて、顔もまあまあよくても、絶対に比べずにはいられないはずだ。

 筆者自身、先日のCDTVのBANを見たとき、シンプルに感動したが、もし欅坂46の名前のままであったら、平手を想起せずにいられなかったかもしれない。

 フルサイズのあのBAN、めっちゃよかった。自分の中の亡霊が成仏してくれた気がする。

3.新規路線の開拓

 これは、欅坂46のコンセプトを捨てたが故である。新規路線の開拓は改名した方が、ファンも比較的受け入れやすくなる。

 例えば、現在乃木坂46で4期生を中心にしていこうとする動きが見られるが、ファンが大きな反発を見せている。

 このように、何かが大きく変わる際、人はネガティブなイメージを抱きがちだ。それを改名が緩和してくれていると筆者は考えている。

 ただ、運営側が未だに新規路線を決定できていないように感じるのは筆者だけでないはずだ。それだけ慎重になっているという証拠なのだろうが。

 こればっかりは早く決まってくれることを祈っている。3rdくらいで固まりそうかな。

ここから現れる改名の意図

 ここまで見てきてもなお、「改名しなくてもよかったじゃん!」と思うファンも多くいるだろう。それは当たり前である。

 なぜなら、この改名は既成のファンではなく、主に新規ファン獲得のためのものであるからである。

 既存のファンを大幅に減らしてでも、新規ファン獲得可能性を引き上げたいという方針がきっとあるのだと思う。

 既存ファンからすれば複雑であろうし、もちろん、改名しなくても2~3年ほどは食っていけただろう。しかしその選択肢を捨ててでも、新たな方針に舵を切ったのである。

まとめ

 個人的に、確かに欅坂46のままでも良かったと思う。しかし、「これからどうなっていくんだ」という、欅時代に抱いたような一種の興奮を感じるのは、改名があってこそだ。

 そういった意味で、改名には大きな意味があったと筆者は思う。

 以上、虎杖玲でした~。